ベルリーニ:清教徒カラス(マリア)
東芝EMI
発売日 2002-09-11
本作はマリア・カラスが録音を始めてまだまもないころの作品である。つまり、多くのファンは本作で初めてカラスに出会ったのだ。そして本作には、カラスがマイクを通して録音する以前のアクトの中では最高と言える、美しい歌唱が収められている。
このオペラは、17世紀のイングランドを舞台に、オリバー・クロムウェルを支持する清教徒とスチュアート王朝を支持する王党派の騎士が争うなかで、王党派の騎士アルトゥーロに恋する清教徒の娘エルヴィーラの揺れる心にスポットを当てている。複雑な状況下で、エルヴィーラはアルトゥーロに裏切られたと思い込み、我を失ってしまう。エルヴィーラが狂乱する場面(カラスは圧倒的なテクニックで歌い上げる)は、音楽的にもストーリー的にもこのオペラのクライマックスである。
けれども、決してそれだけが見せ場ではない。たしかにカラスのエルヴィーラは全出演者の中でずば抜けているが、合唱場面もこのオペラの魅力あふれる大事な見どころである。そして、本作でのカラスの歌声は最高レベルにあり、その素晴らしい演技は悩み苦しむ女の微妙な陰影を伝えている。カラスは本作にまさに君臨しているが、共演者たちも、彼女が世界的なスターになる前のメンバーに比べたらはるかに優れた人々がそろっており、見事な歌唱を聴かせてくれる。(Joe McLellan, Amazon.com)
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