マリア・カラス エヴァー! ロマンティック・カラスカラス(マリア)
東芝EMI
発売日 2001-09-27
ここに収められているのは、初恋におののく少女の胸の動悸、恋人たちの甘いため息、身を焦がすような恋、恋、恋の幸福なエッセンスばかりだ。選曲と配列のセンスが抜群で、2、3曲目あたりからは、だれもが非日常的な愛の世界にうっとりと浸ってしまうに違いない。10曲目に意外なレパートリーのベルリオーズ「ファウストの劫罰」のマルグリートのロマンス(雰囲気たっぷりの名唱!)が入っているあたり、通をもうならせるこだわりぶりだ。もちろんカラスの歌はすべてが完全燃焼、自分の人生を歌っているのではないかと錯覚したくなるくらいに真実で生々しい。
それにしても、デリラの濃厚なメゾソプラノの低くなまめかしい声から、清純で信仰深いジルダの高く舞うようなコロラトゥーラの声まで、同じ歌手のキャリアのなかにここまで幅広い表現が高いレベルで共存できたという事実は、やはり今もって奇跡としかいいようがない。この新しいベストアルバムは、カラスのそんな側面をも改めて感じさせてくれる。なお2000年に発売されてヒットした「ミレニアム・ベスト」とは曲目の重複はない。(林田直樹)
聴き応えあり 2004-07-19
「ロマンティック・カラス」というだけあって、ほんとにいろんな「恋」のエッセンスがちりばめられた一枚です。それに、収録曲がきまりきったアリアだけじゃないのがいい!(つまり、そのオペラにおいて、二番手に有名なアリアが収められてるという感じ。)一曲目の「かわいがってくださいね」では可憐な少女、仮面舞踏会では不倫におののく人妻・・・と、いろいろな恋する女性の姿を演じきっていて、とても内容の濃いアルバムになっています。
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