マリア・カラス オペラの歌い方―ジュリアード音楽院マスタークラス講義ジョン アードイン
音楽之友社 刊
発売日 1989-11
マリア・カラスの精神を知る。 2000-11-17
これは、マリア・カラスを最後の証人とする、ベル・カントを中心とした、 オペラの伝統を伝える本である。 この本では、主にカラスがレパートリーとしたヴェルディ、ベッリーニ、ドニゼッティといった ベル・カント・オペラから、モーツァルト、フランス・オペラ、ヴェリズモに至るまで、 多彩なオペラのアリアが取り上げられている。
実際は、ジュリアードでのマスタークラスでの講義を記録した物であるため、 生徒に向けた言葉を編集してあるのだが、 実際にレッスンに立ち会っていなくても、十分に実用的かつ示唆に富んだ言葉を 私たちは手にすることができる。 私は決して熱狂的なカラス・ファンではないが、 何度もこの本に目を通して、譜例を、カラスの言葉を読み返すにつけ、
どんなにカラスが作品に対する細やかな研究と、音楽への情熱と、 何よりも作曲家に対する誠意を持って、舞台に上がっていたのかということが伝わってくる。 声楽を専門に勉強している人にとっては、当然の事ながら非常に実用的 (かつ、言葉の端々にぎくりとすることがある)であるが、
オペラ、またはカラスのファンにとっては、彼女の歌唱がどのような信念に基づいて いたのかを知るという意味で、とても興味深いものであろう。 また、実際のレッスンを録音したCD(一部抜粋プラスカラス自身の演奏) CD-ROM(レッスンをそのまま録音したもの。あまり音質は良くない。当然英語)も出回っているので、
興味のある方は併せて聞いてみるといいかもしれない。 カラスの歌う“Cortigiani…”は、エキサイティング!の一言に尽きる。
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